解析アプローチ

エンドミル切削条件の最適化方法

4種類の加工条件パラメータの最適な組み合わせを見つけることが重要

3つのアプローチで分析

エンドミル切削プロセスの複雑なメカニズムを正確に分析し、加工条件を最適化するために、以下の3つのモジュール(ファンダメンタル分析、ミクロ分析、マクロ分析)から構成される分析モデルを考察します。

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マクロ アナリシス
(立体分析)

分析の手順

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 実際の分析フローは3つのステップで行います。ユーザーはまず、画面で行いたいエンドミル加工の情報を入力。ワーク材質、工具径、工具の刃数、工具形状、チップタイプかソリッドタイプか、そのほか加工の種類などを選択し、X・Y方向切込みの狙い値を入力。ワンクリックで基礎分析と平面分析を行い、最適な回転数と送り速度を算出します。
 次に、ファンダメンタルアナリシスとミクロアナリシスで得られた結果をもとに、マクロアナリシスで最適なZ方向切込みを算出します。まず、工具のねじれ角や工具の突出し長、刃長といった必要な情報を入力。ワンクリックで、1回転中に工具にかかる動的切削力の変化をグラフ化。磨耗を抑え効率化を実現するために重要なのは、グラフで示す切削力の変動をいかになくすか、そこで、「切削力一定ポイントボタン」を使い、Z方向切込みを自動で変化させることで、工具にかかる力が平準化するポイントを探ります。グラフの波が小さくなり、平らになった時のZ方向切込みが最適値となります。一般的な現場だと、ベテランが加工時の「音」などを頼りに加工状態を推定し、X・Y方向やZ方向切込みなどを適時調整するのみで、ほとんどの場合最適解にたどり着けないのだが、切削キャッチャーであれば理論的に短時間で最適ポイントにたどり着くことができます。
 最後に、片持ち梁理論を用いた「びびり振動解析」で、工具のびびりの有無を確認する。びびりが発生する場合は、ファンダメンタルアナリシスとミクロアナリシスの画面に戻り、パラメータを再度調整することで問題解決を図ります。

各アプローチにおける理論解析モデル

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